屋根と一言でいっても、いろいろな部位からなっています。
「ちょっと屋根のてっぺん部分のずれが気になるけど…」
と思っても、何と伝えたらよいか、名称がわからないなどと考えてしまいがちです。
屋根を構成する部位は非常にたくさんあり、各々名称がついています。
普段あまり使う機会が無い言葉ですが、少し知っているだけでも専門業者との打ち合わせがしやすくなり、
見積書の見方も変わってくると思います。
そこで、今回は屋根を構成する各部分の名称についてご紹介します。
〇棟
棟とは、屋根の面と面の接合部分のことを指し、屋根の形によって種類と数が異なります。
屋根棟(やねむね)ということもあります。
一番高いところになる棟を大棟(おおむね)、大棟から端部に向かって伸びる棟を隅棟(すみむね)
または、下り棟(くだりむね)といいます。
屋根材の継ぎ目から雨水の侵入を防ぐために、棟板金・谷板金という板金が設置されます。
(瓦屋根の場合は、棟板金ではなく棟瓦を使用します。)
棟板金や谷板金は、屋根の部位の中でも傷みやすい部位なので、
定期的に点検を行い、異常がないかチェックをしましょう。
〇谷
谷は、棟とは逆に、屋根面が凹にぶつかる部位のことで、
屋根の面と面をつないだ窪んだ部分をさします。
谷には排水のために通水路を設置しますが、この通水路を「谷樋(たにどい)」と呼びます。
谷板金と呼ばれる板金を設置し、雨水を雨樋までスムーズに排水するという役割があります。
〇屋根面
屋根面は、屋根材が設置されている部分のことです。
雨水を受け止めて住まいを雨漏りから守る要の部位で、
粘土瓦等の一部の屋根材を除き、屋根材の表面を塗装で保護することで防水性能を発揮します。
〇破風
破風(はふ)は、屋根の端部にある部位、妻側(建物の棟と直角方向にある両側面のこと)にある
屋根の端の側面部分を破風、そこに付けられている板を破風板といいます。
破風には、横方向から屋根の内側へ雨水が吹き込まないように防ぐ役割があります。
従来は、木材やモルタルが材料で使われてきましたが、
近年は耐久性の高い窯業系や板金を用いることが増えています。
〇鼻隠し
鼻隠しは正面側の軒先に取り付けられます。雨樋がついている側にあります。
破風との一番の違いは、雨樋を設置する下地になっている点です。
鼻隠しに雨樋の支持金具を取り付け、軒樋を設置するのが基本とされています。
破風同様、横方向から雨風が吹き込むのを防いだり、建物の延焼を防ぐ役割があります。
〇けらば
けらばは、妻側(屋根の雨樋がないほう)にある端部のことです。
雨樋のない側の屋根の端、と言い換えることもできます。
雨水が横から吹き込むのを防いだり、日当たりの調整、外壁の劣化防止の役割があります。
ちなみに、屋根の四方全てに雨樋がついている寄棟屋根などの場合には、けらばは存在しません。
〇軒先
軒先は、屋根の先端で壁よりも張り出している部分のことです。
けらばとは逆の軒側の先になります。
よく、ここを利用して洗濯物を干すこともあります。