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Columnコラム

ウレタン防水とは?

日本で最も多く行われているウレタン防水。

ウレタン防水は比較的安価で施工できる防水工事です。

しかし「ウレタン防水がどんなものなのか」「工事費用はいくらなのか」といった疑問をお持ちのかたが多いようです。

そこでこの記事では、ウレタン防水について解説します。

ウレタン防水とは

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を塗ることで防水層を作る工法です。


ウレタン塗膜防水とも呼ばれており、かつては耐久性が劣るイメージもありましたが、


ウレタン樹脂の研究が進むにつれ、高い防水性を必要とする屋上などでも使われるようになりました。


「ウレタン」は柔らかく弾力性があり、耐摩耗性に優れた素材です。


ウレタン防水には特に目立った短所がないので、改修工事において主流の工法となっています。

ウレタン防水の3つの工法

ウレタン防水は、一般的には以下の3つの工法があります。

①通気緩衝工法
 通気緩衝工法は、湿気が多い箇所や雨漏りをしている箇所への施工に向いています。
 直接ウレタン樹脂を塗らず、通気緩衝シートの上から塗っていくのが特徴です。
 防水施工の際、下地に浸入した水分が日に当たって湿気となると膨れの原因となります。
 通気緩衝工法は下地の水分を脱気装置で外部に逃がす仕組みになっており、湿気による防水層の膨れを防ぐ効果があります。
 比較的高度な技術を必要とする工法で、他工法より費用が高くなる傾向があります。

②密着工法
 密着工法は、一般家庭のベランダなどの狭い部分に適している工法です。
 床面に直接ウレタン樹脂を塗るシンプルな工法のため、費用が安く工期も短いです。
 また、通気緩衝工法で設置する脱気筒も不要であり、場所を選ばず施工できます。
 一方で、下地の影響を受けやすく、床面の状態によっては防水層のひび割れ・膨れなどが発生しやすくなります。

③メッシュ工法
 メッシュ工法は、先述した通気緩衝工法と密着工法の2つの中間にあたる施工方法です。
 均一になりにくいベランダや屋上などの場所に適しています。
 床面にメッシュシートを貼り付け、その上からウレタン樹脂を塗ります。
 密着工法に比べてひび割れを起こしにくいですが、通気緩衝工法のような湿気対策効果はありません。

ウレタン防水のメリット・デメリット

ウレタン防水は、さまざまな場所で採用されている人気の防水工事です。

ここでは、メリットとデメリットを紹介します。


<ウレタン防水のメリット>

①費用が安価
 ウレタン防水は、FRP防水やシート防水と比べて費用が安価な点がメリットです。
 また、10~14年ほどの耐用年数を持ち、コストパフォーマンスに優れているのも魅力です。

②継ぎ目なく施工できる
 ウレタン防水は継ぎ目が発生しないため、既存の防水層の上から重ねて塗装ができ、撤去や処分の工程が不要です。
 また、継ぎ目がないことから剥がれやまくれも生じません。

③伸縮性が高い
 ウレタン防水で使うウレタン樹脂は、高い伸縮性を持っています。
 そのため、建築物の劣化の症状でよく見られるひび割れを起こしにくいというメリットがあります。

<ウレタン防水のデメリット>

①施工の難易度が高い
 防水面の施工は、雨水が流れるための傾斜が重要です。
 ウレタン防水は、3ミリほどの厚みになるよう、均一に塗り重ねる必要があります。
 また、使用する塗料の撹拌が足りないと、硬化不良や防水性の低下といったトラブルが生じるおそれがあります。
 均一な仕上がりにするには、正しい知識や技術が必要です。
 施工の難易度が高いので、業者選びをきちんとしないと後悔することになってしまうでしょう。

②乾燥に時間がかかる
 ウレタン防水の樹脂塗料は、硬化に3~10日程度かかるのが一般的です。
 乾燥期間中は、バルコニーやベランダに立ち入れない不便さが気になってしまうかもしれません。

ウレタン防水の施工工程

前述したとおりウレタン防水の施工は難易度が高いため、プロの施工業者に依頼するのがおすすめです。

ここでは施工工程とその特徴を解説していきます。


①下地調整
 表面がなめらかになるように下地を調整します。
 目地を含む不用物を撤去したり、高圧洗浄で汚れを取り除きます。
 クラック(ひび割れ)や穴などの劣化がある場合は補修します。

②プライマー(下塗り材)塗布
 下地にプライマーを塗布し、ウレタン材料がしっかりと接着するようにします。
 接着性を高めることで防水層が長持ちします。
 プライマーを塗ったあとの工程は密着メッシュ工法と通気緩衝工法で異なります。

③ウレタン塗布
 特殊なウレタン塗料を複数回にわたって塗布します。
 各層は均一な厚さでなければなりません。
 通常、2~3回の塗布が必要です。

④トップコート塗布
 トップコートを塗布し、ウレタンで作った防水層を保護します。
 これにより、紫外線や物理的なダメージから防水層を保護します。
 トップコートは耐候性や耐久性を高める役割もあります。

⑤乾燥・硬化
 完全に乾燥し硬化するまで、適切な時間を確保します。
 この期間中は、表面を歩いたり物を置いたりすることは避ける必要があります。

ウレタン防水のメンテナンスが必要なサイン

ウレタン防水は10年に一度ウレタン樹脂の塗り替え、5年に一度トップコートの塗り替えを行うのがメンテナンスの目安です。

その他にも、以下のような劣化の兆候が現れたら、メンテナンスを検討しましょう。

・表面の色褪せ
・ひび割れ
・一部分に水が溜まる
・排水溝が詰まっている
・雨漏りが生じている
・防水層が膨れている
まとめ
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を塗装して防水層を形成する施工です。

ほかの防水工事と比べ、比較的安価に施工できるというメリットがあります。

ただし、業者によって仕上がり具合が異なるといったデメリットもあるため、特性を理解したうえで最適な防水工事を選びましょう。