〇切妻（きりづま）屋根

切妻屋根とは、本を開いて逆さまにしてかぶせたような形の三角屋根で、日本で人気の形です。

単純な造りのため、施工費がリーズナブルな上、雨漏りがしにくく、メンテナンスがしやすい、

換気がしやすいなど多くのメリットがあります。

ただ、屋根で覆われてない三角に見える側面（妻側）は紫外線に当たりやすく、劣化しやすくなります。

また、日本でよく使われる屋根のため、個性が出しづらいのもデメリットかもしれません。

〇寄棟（よりむね）屋根

寄棟屋根は四方に傾斜面がある屋根で、切妻屋根同様、使用されることが多いです。

全方向に面があるため耐風性が高く、外壁への負担も少ないです。

また、全方向の外壁を雨や紫外線から守ることが出来ます。

ただし、風通しがあまり良くないこと、

屋根の面積が広くなるため、施工費が比較的高くかかるというデメリットがあります。

〇片流れ（かたながれ）屋根

片流れ屋根は、屋根面一面だけ斜めにある屋根のことです。

シャープなデザインに仕上がるため、近年増加傾向にあります。

また、省スペースなので住宅密集地での建設に重宝されます。

屋根面積が抑えられるため、施工費がリーズナブルでソーラーパネルを敷きやすいというメリットもあります。

しかし、屋根面が一面だけなので、大雨や大雪では片面に集中しやすいため、

雨樋に負荷がかかりやすいです。風には弱いので台風の際に注意が必要です。

〇陸（ろく）屋根

陸屋根とは、ビルの屋根のように平らな屋根のことです。

屋上がある家や、鉄筋コンクリート造のビルのような建物でよくみられます。

屋上利用を前提としている場合、メンテナンスがしやすく、

屋上として家庭菜園などを楽しめるところも大きな魅力です。

雪が積もるような地域の場合には、落雪を防ぐために採用されたりします。

ただし、傾斜がないため、排水をきちんとしないと水が溜まってしまいます。

また、断熱性が低く、室内温度が上がりやすい傾向があります。

〇方形（ほうぎょう）屋根

方形屋根は、寄棟屋根と似た形の四角錐（ピラミッド型）の屋根のことです。

寄棟屋根と同様のメリット・デメリットがあり、

風雨に強い頑丈さをもつ反面、通気性に少し不安があります。

また、正方形の家でないと屋根が作れないところがデメリットではあります。

〇差しかけ屋根（または招き屋根）

差し掛け屋根（招き屋根）とは、屋根が段違いになっている形の屋根のことです。

１階が２階部分と比べて広い家にみられる屋根の形状になっています。

屋根と屋根の間の外壁があるので、窓を設置することで自然光を取り入れたり、

通気性をよくすることも出来ます。

優れたデザイン性をもちつつ、機能性やコスト面でも優れている点もメリットといえるでしょう。

しかし、屋根と壁の接合部をしっかり行わないと雨漏りしやすいという弱点があります。

〇入母屋（いりもや）屋根

入母屋屋根は寄棟屋根を基本に、切妻屋根がその上にさらにかぶさったような屋根で、

和風造りの家によくみられる形です。日本瓦と相性が良い形状です。

複雑で格式の高い印象を与えるため、和風造りの家やお寺などでよく使われます。

耐風性、断熱性に優れ、屋根の重なりのスペースに窓が付けられるため、

通気性もある点がメリットです。

しかし、屋根の構造が複雑になるため、建材が多く必要になり、コストが高くなります。