アスベストは過去に多くの健康被害を引き起こし、今も建材として使用された建物が存在します。
そのため、2020年から建物の解体・改修などの工事をする前に、建築物等に使用されている建材に
アスベストが含まれているかどうかを事前に調査することが義務化されました。
そう、「義務」なのです!
なぜ義務になったのか、どういった工事が対象なのかをご説明します。
国がアスベスト調査や報告を義務付けた目的は、
「アスベストによる深刻な健康被害を防ぐこと」です。
アスベストは、綿のように軽いのに丈夫で変質しにくく、
耐久性や耐熱性にも優れているにも関わらず安価な素材であったことから、
長年にわたり建材や断熱材として広く使用されていました。
しかし、アスベストは0.02から0.06マイクロメートル(髪の毛の5000分の1程度の大きさ)という
非常に細かい粒子で大気中に舞い上がりやすいという特徴があり、
体内に入ると肺がんや悪性中皮腫(胸膜や腹膜にできるがん)などの
重篤な病気を引き起こすことが明らかになりました。
そのため、2006年9月以降は、アスベストは製造・使用ともに禁止されています。
しかし、禁止以前に建てられた建造物の多くにアスベストが使用されていることから、
解体や改修を行う際にアスベストにさらされる危険性は依然として残っています。
そのため、健康被害を防ぐために、アスベスト調査が義務化されたのです。